「この世には不思議なことなど何もない」
京極夏彦氏の「百鬼夜行シリーズ」の主人公・中禅寺秋彦が、まだ古書肆「京極堂」を開く前の教師時代を描いたアニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』。
2025年6月の放送終了から1年以上が経ち、2026年6月末にはAT-Xでの再放送も始まりました。作品に触れる機会が増えたことで、「先生の講義の続きが見たい」「アニメ2期はあるのか」という声も改めて聞かれます。
この記事では、2026年8月時点で確認できる情報をもとに、アニメ2期の現状と時期の見通し、そしてアニメの続きにあたる原作の巻数を整理します。
中禅寺先生物怪講義録のアニメ2期は?2026年8月時点の最新状況
結論から書くと、2026年8月現在、アニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』第2期の制作について、公式からの発表は行われていません。
第1期は2025年4月7日から放送された全12話で、テレビ東京系ほかで同年6月に最終回を迎えました。アニメーション制作は100studio、監督は熊野千尋氏が務めています。放送終了から約1年2か月が経過した時点でも続報がない状態です。
再放送・無料公開は続いており、作品自体の展開は止まっていない
一方で、放送後も作品を露出させる施策自体は継続しています。2025年10月には原作コミックス第12巻の発売にあわせてYouTubeで全12話の無料公開が実施され、2026年6月30日からはAT-Xで再放送が始まりました。再放送では本編に加え、ミニコーナー「ちびぜんじ先生 居残り講義録」もあわせて放送されています。
ただし、再放送や無料公開は続編制作とは別の販促施策であり、これ自体が2期の準備を示すものではありません。実際、再放送開始から1か月以上が経過しても新規のアナウンスは出ていない点は冷静に見ておく必要があります。
TVアニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』公式サイト
『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』公式X(旧Twitter)

1期を見返しておきたい人は配信サービスの取り扱いを確認
AT-Xの再放送を追えない場合でも、第1期はdアニメストアやHulu、ニコニコのアニメサイトなど複数の配信サービスで取り扱いが確認できます。取り扱い状況や見放題対象かどうかはサービスごとに異なり、時期によって変わることもあるため、視聴前に各サービスの作品ページで確認してください。初回登録時に無料お試し期間を設けているサービスであれば、全12話をまとめて見返す用途にも向いています。
制作会社100studioのラインナップから2期の時期を読む
続編の時期を占ううえで、制作会社のスケジュールは現実的な制約になります。
100studio(ワンダブルオースタジオ)は急拡大中の新興スタジオ
本作のアニメーション制作を担当したのは、コンテンツ制作会社HIKEのアニメーションスタジオとして2021年5月に発足した100studio(ワンダブルオースタジオ)です。東京のほか台湾・福岡・大阪にも拠点を構え、体制を拡大しています。
代表作にはTVアニメ『この世界は不完全すぎる』(studioぱれっとと共同制作)や劇場アニメ『数分間のエールを』があり、設立から日が浅いながら元請作品を継続的に手掛けています。
2026年〜2027年のラインはすでに埋まっている
公表されている100studioの元請ラインナップを時系列で並べると、稼働状況が見えてきます。
| 作品 | 時期 | 備考 |
| この世界は不完全すぎる | 2024年7月〜 | TBS・MBSほか。studioぱれっとと共同制作 |
| 数分間のエールを | 2024年 | 劇場アニメ |
| 中禅寺先生物怪講義録 | 2025年4月〜6月 | テレビ東京系、全12話 |
| BLACK TORCH | 2026年7月〜 | TOKYO MXほかで放送中 |
| 朱色の仮面 | 2026年10月〜 | 読売テレビ・日本テレビ系。分割2クール |
注目すべきは、10月開始の『朱色の仮面』が分割2クールである点です。分割2クールは第2クールが数か月〜半年以上あとに放送されるのが一般的で、この形式である以上、スタジオのリソースは2027年に入っても同作に割かれ続けると考えられます。
続編制作間隔の実例と、そこから導く放送時期の予想
近年の深夜アニメで、1期から続編までにどれくらいの期間が空いたかの実例を挙げます。
| 作品 | 制作会社 | 1期放送 | 続編放送 | 間隔 |
| 【推しの子】 | 動画工房 | 2023年4月 | 2024年7月 | 約1年3か月 |
| 薬屋のひとりごと | TOHO animation STUDIO×OLM | 2023年10月 | 2025年1月 | 約1年3か月 |
| 地縛少年花子くん | Lerche | 2020年1月 | 2025年1月 | 約5年 |
| この世界は不完全すぎる | 100studio×studioぱれっと | 2024年7月 | 発表なし | — |
| 中禅寺先生物怪講義録 | 100studio | 2025年4月 | 発表なし | — |
1期放送中または直後に続編が発表されるヒット作の場合は1年〜1年半で戻ってくる例が多い一方、発表が遅れたケースでは5年近く空くこともあります。本作は放送終了から1年2か月が経っても発表がないため、前者のパターンからはすでに外れています。
また、100studioは元請作品で続編を制作した実績がまだなく、『この世界は不完全すぎる』も続編が発表されないままです。スタジオとして続編を回す体制ができているかどうかは、現時点では判断材料が不足しています。
以上を踏まえると、仮に今後2期が決定した場合でも、放送開始は早くて2027年後半、現実的には2028年以降になると予想されます。ただし制作会社が変更されるケースもあり、その場合はこの前提自体が変わる点は付け加えておきます。
原作は13巻まで刊行済み!アニメ1期の続きは何巻から読める?
アニメの続きを先に知りたい人向けに、原作漫画の状況を整理します。
原作は2026年6月発売の13巻が最新刊
原作は志水アキ氏による漫画で、原作クレジットは京極夏彦氏、第8巻以降は田村半蔵氏が構成として加わっています(既刊分にも遡って表記)。2019年11月から「少年マガジンエッジ」で連載され、同誌の休刊にともない2023年12月から「コミックDAYS」に移籍して連載が続いています。
コミックスは2025年10月9日に第12巻、2026年6月9日に第13巻が発売されました。2026年8月時点で第14巻の発売日は告知されていません。
アニメ1期の消化ペースは1クールあたり約7巻分と速め
アニメ全12話は、最終話「心霊探偵 栞奈」をもって区切りを迎えました。放送内容から見て、消化範囲は原作コミックス第7巻前後までだったとみられます。
ここで注意したいのが消化ペースです。1クールで3〜4巻というのが原作付きアニメの標準的な目安ですが、本作は1話完結型の短編が中心という構成上、1クールで約7巻分という速いペースで進んだ計算になります。この点は続編の実現性を考えるうえで見落とせません。
現在の未映像化ストックは第8巻から第13巻までの約6巻分。1期と同じペースで作るなら、ようやく1クール分に届くかどうかという水準です。「原作が全く足りない」わけではないものの、余裕があるとも言い切れず、2期が動くとすれば14巻以降の刊行を待つ形になると予想されます。
続きは第8巻から。巻またぎが気になるなら7巻から読み直す手も
アニメの続きを追うなら、第8巻から読み始めるのがおおむねスムーズです。エピソードの巻またぎが気になる場合は、第7巻の後半から読み直すと取りこぼしがありません。
第8巻から最新13巻までは電子書籍でも購入でき、BOOK☆WALKER、Renta!、漫画全巻ドットコムなどのストアで取り扱われています。同じ巻でもポイント還元率やまとめ買い時の割引がストアごとに異なるため、8巻から13巻までをまとめて揃えるなら、各ストアの価格を比較してから購入するのが無駄がありません。
もしアニメ2期が制作されたら描かれる展開を考察
2期が実現した場合、どのような内容になるのか。原作の流れから予想されるポイントを挙げます。
榎木津や関口ら「百鬼夜行シリーズ」の面々がより深く絡むと予想
1期の時点で、後に「探偵」となる榎木津礼二郎(CV:立花慎之介)や小説家・関口巽(CV:西地修哉)、刑事の木場修太郎(CV:星野貴紀)といった、京極夏彦作品でおなじみの面々はすでに登場しています。2期相当の範囲では、彼らが事件により深く関わる展開が増えると予想されます。若き日の中禅寺と彼らの掛け合いがどう描かれるかは、原作ファンにとっての注目点になりそうです。
終戦直後・昭和23年という時代設定が物語の土台
本作の舞台は、終戦から間もない昭和23年(1948年)の東京です。
敗戦による価値観の揺らぎと、急速に変わる社会のなかで人々が抱えた不安が「怪異」として立ち現れ、中禅寺先生がそれを言葉と知識で解体していく——という構図は、2期でも変わらないと考えられます。この時代設定そのものが、単なる学園ミステリーに終わらない厚みを支えています。
中禅寺先生物怪講義録の主要キャラクターと声優キャスト
日下部栞奈(CV:前田佳織里)|心霊探偵扱いされる女生徒
物語の語り部となる女学生。怖いもの知らずな性格で、怪異の噂を聞きつけては図書準備室の中禅寺先生に相談を持ち込みます。先生の指示で動いているだけなのに周囲からは「除霊をした」と勘違いされ、不本意ながら「心霊探偵」と呼ばれるようになります。
中禅寺秋彦(CV:小西克幸)|仏頂面の新任国語講師
常に不機嫌そうな顔で本を読んでいる国語講師で、後の「京極堂」こと中禅寺秋彦の若き日の姿です。愛想はよくありませんが、膨大な知識と洞察力で栞奈が持ち込む厄介ごとを解きほぐしていきます。長台詞となる「講義」の場面を支える小西克幸さんの演技は、本作の要と言えます。
その他の主要キャスト
榎木津礼二郎役に立花慎之介さん、関口巽役に西地修哉さん、木場修太郎役に星野貴紀さん、中禅寺敦子役に降幡愛さん、中禅寺千鶴子役に茅野愛衣さんが起用されています。2期が制作された場合も、続投が期待されるところです。
まとめ:2期の発表を待ちつつ、講義の続きは原作で
2026年8月時点で、アニメ2期に関する公式発表はありません。制作会社100studioが2026年7月放送の『BLACK TORCH』、10月開始で分割2クールの『朱色の仮面』を抱えていることを踏まえると、仮に決定しても放送は2027年後半以降、現実的には2028年以降になると予想されます。
原作ストックも、1期の速い消化ペースを前提にすると8〜13巻の約6巻分でちょうど1クール分。今後の刊行を待って動き出す可能性はありますが、現時点では気長に構えるのが現実的です。
とはいえ、物語自体はコミックDAYSで現在も進行中です。アニメで描かれなかった事件と、中禅寺先生の講義の続きは原作で読むことができます。「不思議なことなど何もない」という言葉の真意を追いかけたい人は、第8巻から先に進んでみてください。

