2022年に放送され、その美しくも切ない中華幻想譚で多くの視聴者を魅了したアニメ「後宮の烏」。
2022年12月に最終回を迎え、物語が大きな節目を迎えてから3年近くが経過し、「アニメ2期はいつから放送されるの?」「寿雪と高峻の物語の結末をアニメで見たい!」と、続編を待ち望む声が絶えません。
この記事では、「後宮の烏」のアニメ2期は実現するのか、その可能性をアニメ制作の鍵を握る制作会社「バンダイナムコピクチャーズ」の最新動向を主軸に、原作の状況や商業的評価といった客観的なデータを基に、徹底的に考察・解説していきます。
「後宮の烏」アニメ2期の現状:公式発表はまだない
まず結論からお伝えすると、現時点(2025年10月)でアニメ「後宮の烏」の続編(第2期)に関する公式な制作発表は行われていません。
アニメ公式サイトや公式SNSの更新も長期間停止しており、ファンにとっては非常にもどかしい状況が続いています。
しかし、原作が完結しており、物語の最後までを描くための土台は整っています。なぜ3年近くも続報がないのか、その理由を深く探っていきましょう。
TVアニメ「後宮の烏」公式サイト

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まずはアニメ第1期をおさらい!作品の魅力と基本情報
待望の2期をより楽しむために、2022年に放送されたアニメ第1期がどのような作品だったかを振り返ります。
放送情報と制作陣
アニメ第1期は、2022年10月1日から12月24日にかけて、TOKYO MXほかにて全13話が放送されました。『銀魂』などを手掛けた実力派スタッフが集結しています。
| 役職 | 担当者 |
|---|---|
| 原作 | 白川紺子 |
| 監督 | 宮脇千鶴 |
| シリーズ構成 | 大島里美 |
| キャラクターデザイン | 竹内進二 |
| 音楽 | 橘麻美 |
| アニメーション制作 | BN Pictures (バンダイナムコピクチャーズ) |
物語のあらすじと魅力
後宮の奥深く、夜明宮にひっそりと暮らす特別な妃「烏妃(うひ)」。彼女は妃でありながら夜伽をすることなく、呪術を使い、失せ物探しから呪殺まで、あらゆる頼み事を引き受けると言われていた。
ある夜、時の皇帝・夏高峻(かこうしゅん)が烏妃のもとを訪れる。彼が依頼したのは、亡くなった宦官が身につけていた翡翠の耳飾りの持ち主を探してほしいというものだった。この出会いをきっかけに、孤独だった烏妃・柳寿雪(りゅうじゅせつ)と、若き皇帝・高峻の運命の歯車が、歴史の闇に隠された大きな謎と共に動き始める。
本作の魅力は、美しい中華風の世界観を舞台に繰り広げられるミステリーと、寿雪と高峻の切なくもどかしい関係性、そして寿雪が背負う烏妃としての過酷な宿命を描く、壮大な人間ドラマにあります。
主要キャラクターと豪華キャスト紹介
| キャラクター名 | 声優 |
|---|---|
| 柳寿雪 | 水野朔 |
| 夏高峻 | 水中雅章 |
| 衛青 | 八代拓 |
| 九九 | 高野麻里佳 |
| 温螢 | 島﨑信長 |
| 淡海 | 岡本信彦 |
| 衣斯哈 | 平田真菜 |
| 雲花娘 | 上田麗奈 |
続編の鍵を握る制作会社「バンダイナムコピクチャーズ」からの可能性考察
続編が制作されるかどうかを占う上で、最も重要な鍵を握るのは、アニメーション制作を担当した「バンダイナムコピクチャーズ(BN Pictures)」の制作状況です。
バンダイナムコピクチャーズはどんな制作会社?
バンダイナムコピクチャーズは、2015年にサンライズ(現:バンダイナムコフィルムワークス)から分社化して設立されたアニメ制作会社です。『銀魂』シリーズや『アイカツ!』シリーズなど、サンライズ時代からの人気作を引き継ぎつつ、多様なジャンルの作品を手掛けています。
| 会社名 | 株式会社バンダイナムコピクチャーズ |
|---|---|
| 設立 | 2015年4月 |
| 主な代表作 | 『銀魂』シリーズ 『アイカツ!』シリーズ 『魔入りました!入間くん』シリーズ 『TIGER & BUNNY 2』 |
【考察】最大の壁は「超人気スタジオ故の制作スケジュール」
結論から言うと、「後宮の烏」2期の制作がすぐに始まらない最大の理由は、バンダイナムコピクチャーズの制作スケジュールが常に逼迫しているためと考えられます。
バンダイナムコピクチャーズは、2025年から2026年にかけて、すでに多数の人気シリーズや期待の新作の制作が決定しています。
- 2025年: 『魔神創造伝ワタル』、『銀魂 3年Z組銀八先生』、『しゃばけ』など
- 2026年: 『杖と剣のウィストリア(Season2)』、『新劇場版 銀魂』、『ケロロ軍曹』など
これだけの大型タイトルが並んでいるため、「後宮の烏」2期の制作ラインを確保するのが現時点では物理的に不可能な状況にあると推測されます。
続編の可能性を補強する2つのポジティブなデータ
制作会社のスケジュールは厳しいですが、2期の実現を後押しする強力なポジティブデータも存在します。
1. 物語の最後まで描ける完結済みの原作ストック
アニメ続編を制作する上で最大の追い風となるのが、原作小説がすでに完結しているという事実です。
| 原作メディア | 刊行状況 |
|---|---|
| 後宮の烏(本編) | 全7巻で完結済み |
アニメ第1期で描かれたのは、原作小説の2巻までです。原作はその先、烏妃の宿命の謎や、後宮を揺るがす大きな陰謀、そして寿雪と高峻の関係の結末までが描かれ、堂々完結しています。アニメ2期を1クール、さらには3期と制作してもまだ余りあるほどの潤沢なストックが存在し、「描くべき物語」が最後まで揃っている点は、何よりの強みです。
2. シリーズとしての商業的な大成功と高い評価
- シリーズ累計発行部数: 120万部を突破(2022年8月時点)
この数字は、「後宮の烏」というIP(知的財産)が、非常に強い人気を持つコンテンツであることを証明しています。また、アニメ放送終了後の2023年には原作小説が「第22回センス・オブ・ジェンダー賞」で大賞を受賞するなど、文学的な評価も非常に高い作品です。こうした商業的・批評的な成功は、製作委員会が続編への投資を判断する上で、強力な後押しとなります。
アニメ2期が制作されるなら放送はいつから?
これらのプラスとマイナスの要素を総合的に判断すると、もし2期が制作される場合でも、その放送時期はかなり先になることが予想されます。
最大の障壁である制作会社バンダイナムコピクチャーズのスケジュールが、少なくとも2026年まで埋まっていることを考えると、もし「後宮の烏」2期の企画が動き出すとしても、それは早くとも2026年中頃以降になるでしょう。
一般的なアニメ制作期間(約1年半~2年)を考慮すると、2期の放送は早くとも2027年の後半、現実的には2028年以降になると考えるのが、現時点での最も妥当な予測です。
アニメ「後宮の烏」に関するよくある質問
「後宮の烏」アニメ2期の制作は決定していますか?
いいえ、2025年10月現在、アニメ2期の制作に関する公式発表はありません。
アニメが打ち切りになったという噂は本当ですか?
公式に「打ち切り」が発表されたわけではありません。しかし、3年近く続報がないこと、制作会社のスケジュールが完全に埋まっていることから、プロジェクトが事実上の休止状態にあり、続編制作の優先順位が低い可能性は考えられます。
アニメ1期は原作のどこまで描かれましたか?
アニメ第1期(全13話)は、原作小説の2巻の最後までを描いています。物語の続き、寿雪の出自の秘密や後宮のさらなる謎に迫る物語を楽しみたい方は、原作小説の3巻から読み始めるのがおすすめです。
原作は完結していますか?
はい、原作小説『後宮の烏』は、2022年4月に全7巻で堂々完結しました。その後、同じ世界観を共有する新シリーズ『海神の娘』が2023年に刊行されています。
まとめ:続編の可能性は十分!完結済みの原作で結末を!
この記事の要点をまとめます。
- 現状: アニメ「後宮の烏」2期の公式な制作発表はまだない。
- 可能性: 制作会社バンダイナムコピクチャーズのスケジュールは逼迫しているが、完結済みの豊富な原作ストックと商業的・批評的な大成功から、将来的な続編制作の可能性は十分にある。
- 放送時期予想: もし制作される場合でも、2028年以降と非常に遠い未来になる見込み。
- 今できること: 続編を気長に待ちながら、完結済みの原作小説(3巻以降)を読んで、寿雪と高峻、二人の物語の結末を見届けましょう!
すぐにアニメ2期のニュースを聞くのは難しい状況ですが、物語のゴールが見えているからこそ、いつか必ずアニメでも描かれるという希望は十分に持てます。孤独な烏妃の運命がどこへたどり着くのか、再び美しいアニメーションで見られる日を楽しみに待ちましょう。
