2024年4月から9月にかけてNHKで放送され、和風ファンタジーの世界観で支持を集めたアニメ「烏は主を選ばない」。
全20話の放送が終了してから約2年が経ち、「アニメの続きが見たい」「3期はいつから始まるのか」と、雪哉や若宮たちの次の物語を待つ声が続いています。
この記事では、2026年8月時点の情報をもとに、「烏は主を選ばない」のアニメ続編(通称3期)が実現する可能性を、制作会社ぴえろの稼働状況と同社作品の続編制作間隔データ、原作の刊行状況といった客観的な材料から考察します。
「烏は主を選ばない」アニメ3期の現状:2026年8月時点でも公式発表はなし
結論からお伝えすると、2026年8月時点で、アニメ「烏は主を選ばない」の続編(3期)に関する公式な制作発表は行われていません。
2024年9月21日の最終話放送後、続編に関するアナウンスはなく、制作は未定のままです。放送終了後は2024年10月10日からNHK Eテレで再放送が実施され、2025年2月27日に第20話が再放送されましたが、その枠でも続編の告知はありませんでした。
ただし、続編の可能性が絶たれたわけではありません。最新の状況を確認したい場合は、公式サイトと公式Xが情報源になります。
TVアニメ『烏は主を選ばない』公式サイト

『烏は主を選ばない』公式X(旧Twitter)
アニメの放送構成を整理:「黄金の烏」編は2期ではない
続編の情報を調べる前に、2024年に放送されたアニメの構成を整理しておきます。
- 放送期間: 2024年4月6日 – 9月21日(NHK)
- 話数: 全20話
- 後半の新章: 2024年7月20日より「黄金の烏」編がスタート(追加キャストとして宮本侑芽が参加)
つまり、2024年に放送された全20話はすべて「第1期」にあたります。後半の「黄金の烏」編は分割2クール目のような位置づけであり、独立した「2期」ではありません。ファンが待っているのは、この続きとなる新しい続編シリーズということになります。
そのため「3期」という呼び方が定着していますが、公式の数え方でいえば実質的には「2期」にあたる続編です。検索する際はどちらの表記でも同じ続編を指していると考えて差し支えありません。
原作消化ペースの推定:続編1期分の分量はすでに揃っている
続編の実現性を考えるうえで重要なのが、アニメが原作のどこまでを消化したかという点です。
| 区分 | 該当する原作(第一部) | アニメ化の状況 |
|---|---|---|
| 第1作 | 烏に単は似合わない | 第1期で映像化済み |
| 第2作 | 烏は主を選ばない | 第1期で映像化済み |
| 第3作 | 黄金の烏 | 第1期後半「黄金の烏」編で映像化済み |
| 第4作 | 空棺の烏 | 未アニメ化 |
| 第5作 | 玉依姫 | 未アニメ化 |
| 第6作 | 弥栄の烏 | 未アニメ化 |
第1期は全20話で原作第一部6作のうち3作を消化しました。単純計算で1作あたり6〜7話ペースです。
このペースを当てはめると、第一部の残り3作(『空棺の烏』『玉依姫』『弥栄の烏』)を映像化するには、やはり20話前後、つまり第1期とほぼ同じ規模の続編がちょうど1本分必要になる計算です。原作ストックが足りずに続編が作れない、という状況ではないと考えられます。
さらにその先には第二部が控えており、素材という意味では十分すぎる量が残っています。
続編の鍵を握る制作会社「ぴえろ」の稼働状況
原作ストックがあっても、制作するスタジオの空きがなければ続編は動きません。ここでは第1期のアニメーション制作を担当したぴえろの状況を確認します。
制作会社:ぴえろとは
ぴえろは1979年設立のアニメーション制作会社で、長期シリーズ作品の実績が豊富です。
2025年〜2027年のぴえろ制作ラインナップ
アニメ第1期の放送終了後、ぴえろは以下の作品を継続的に手がけています。
| 時期 | 作品 |
|---|---|
| 2025年7月〜9月 | おそ松さん(第4期) |
| 2025年10月〜 | キングダム 第6シリーズ(NHK総合/スタジオ サインポストと共同) |
| 2026年4月〜 | 魔法の姉妹ルルットリリィ |
| 2026年7月25日〜 | BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-(最終クール) |
| 2027年1月〜 | カリスマ(TBS系/PIERROT FILMS制作) |
前回の記事執筆時点で「2026年まで埋まっている」と見ていたラインは、実際にはそのまま2027年1月放送の『カリスマ』まで伸びました。ぴえろの制作ラインは現時点でも空いていないと考えるのが妥当です。
一方で、長年続いた『BLEACH 千年血戦篇』が2026年7月開始の「禍進譚」でテレビシリーズとして完結する点は見逃せません。大型の長期シリーズが1本終わることで、2027年以降にラインの余地が生まれる可能性はあると予想されます。
【独自分析】ぴえろ作品の続編制作間隔データ
ぴえろが実際にどれくらいの間隔で続編を送り出しているのかを、直近の作品で整理しました。
| 作品・区間 | 前シリーズ | 次シリーズ | 間隔 |
|---|---|---|---|
| BLEACH 千年血戦篇 第1→第2クール | 2022年10月 | 2023年7月 (訣別譚) | 約9か月 |
| BLEACH 千年血戦篇 第2→第3クール | 2023年7月 | 2024年10月 (相剋譚) | 約1年3か月 |
| BLEACH 千年血戦篇 第3→第4クール | 2024年10月 | 2026年7月 (禍進譚) | 約1年9か月 |
| キングダム 第5→第6シリーズ | 2024年1月 | 2025年10月 | 約1年9か月 |
| おそ松さん 第3期→第4期 | 2020年10月 | 2025年7月 | 約4年9か月 |
この表からは2つの傾向が読み取れます。
ひとつは、放送前から続編が前提になっている長期シリーズは、間隔がおおむね1年〜2年に収まるという点です。BLEACHやキングダムのように、シリーズ全体の完結地点が決まっている作品はこのパターンにあたります。
もうひとつは、いったん区切りがついた作品が改めて続編を作る場合、4年以上空くケースがあるという点です。『おそ松さん』は第3期から第4期まで約4年9か月かかりました。
「烏は主を選ばない」は第1期で第一部3作分をひと区切りとして終えており、後者のパターンに近いと考えられます。第1期終了から2026年8月時点で約1年11か月が経過していますが、これは前者の「1年〜2年」の目安をすでに超えつつ、後者の「4年前後」にはまだ届いていない段階です。現時点で発表がないこと自体は、続編の可能性を否定する材料にはならないと見るのが妥当でしょう。
続編の可能性を補強する3つのポジティブな材料
制作ラインの状況は厳しいものの、2025年から2026年にかけて、続編を後押しする材料はむしろ増えています。
1. 原作が2026年内に完結予定
| 原作の区分 | 刊行状況(2026年8月時点) |
|---|---|
| 第一部 | 全6作、完結済み |
| 第二部 | 『亡霊の烏』(2025年3月刊行)まで既刊 |
| 本編最終巻 | 『玉座の烏』(上下巻)が2026年内に刊行予定 |
| 外伝 | 『烏百花』シリーズ2冊 |
前回の記事執筆時点では第二部が「連載中」でしたが、その後、本編最終巻となる『玉座の烏』が上下巻で2026年内に刊行予定であることが明らかになりました。つまり、八咫烏シリーズは本編全13作がまもなく完結する段階にあります。
原作が完結すると、アニメ化企画の側は「どこまで描くか」というゴール設定がしやすくなります。原作完結が続編アニメ化の契機になった作品は珍しくないため、この点は前向きな材料と考えられます。
2. 累計260万部突破と、続くメディア展開
- シリーズ累計発行部数: 260万部を突破
- 文庫最新刊: 『望月の烏』が2026年5月8日に文春文庫化
- 愛蔵版: 紀伊國屋書店の創業100周年記念企画として『八咫烏シリーズ 愛蔵版』を刊行
前回確認時点の230万部(2024年10月時点)から260万部へと積み増している点は重要です。アニメ放送が終わってから2年近く経ってなお部数が伸びており、BOX入りの豪華な愛蔵版が企画されるだけの需要も維持されています。IPとしての体力は落ちていないと判断できます。
3. コミカライズが全6巻で完結
松崎夏未によるコミカライズ版『烏は主を選ばない』は、2026年3月23日発売の第6巻をもって完結しました。
コミカライズの完結は、それ自体が続編アニメの根拠になるわけではありません。ただし、小説・漫画・アニメと展開してきたメディアミックスが一区切りついたタイミングであり、次の展開を打ち出すには節目として悪くない時期だと言えるでしょう。
アニメ3期が制作されるなら放送はいつから?
ここまでの材料を整理すると、以下のようになります。
- 原作ストックは十分(第一部の残り3作だけで1期分に相当)
- 原作本編は2026年内に完結予定で、企画を組み立てやすい状況になる
- 一方でぴえろの制作ラインは2027年1月放送作品まで埋まっている
- 2026年8月時点で公式発表は一切ない
アニメの企画は、制作発表から放送開始までおおむね1年半から2年を要するのが一般的です。2026年8月時点でまだ発表がないということは、仮に今すぐ発表があったとしても、放送は2028年前後になるという計算になります。
加えて、ぴえろが同じ座組みで続投するとは限りません。制作ラインが空かない場合、別のスタジオに移して制作される可能性もあります。その場合はスケジュールの制約が変わるため、上記の予想より早まることも遅くなることも考えられます。
現実的な見立てとしては、原作完結後の2027年前後に何らかの発表があり、放送は2028年以降というのが、現時点でもっとも妥当な予想になります。あくまで公表されている情報からの推測であり、確定した情報ではない点にはご注意ください。
待っている間に:第1期を見返す・原作の続きを読む
配信サービスで第1期を振り返る
アニメ第1期は、U-NEXTやHuluなどの動画配信サービスで見放題配信されています。全20話は原作3作分を再構成した構成になっているため、続報を待つ間に通しで見返すと、時系列や人物関係の整理がしやすくなります。無料トライアル期間を設けているサービスもあるので、まだ登録していない方は比較して選んでみてください。
アニメの続きは原作『空棺の烏』から
アニメ第1期で描かれた物語の続きは、原作第一部の第4作『空棺の烏』から読めます。雪哉が勁草院に入り、出自の異なる若者たちと寄宿生活を送る章で、第1期とは雰囲気の異なる青春群像劇としても読みごたえがあります。電子書籍ストアなら『空棺の烏』の巻だけを購入して、すぐに続きから読み始められます。BOOK☆WALKER、Renta!、漫画全巻ドットコムなどで価格やポイント還元を比較してみてください。
アニメ「烏は主を選ばない」の制作陣とキャスト
参考として、第1期を支えた主要スタッフとキャストをまとめました。続編が制作される場合、この座組みが引き継がれるかどうかも注目点になります。
主要制作スタッフ
| 役職 | 担当者 |
|---|---|
| 原作 | 阿部智里 |
| 監督 | 京極義昭 |
| シリーズ構成 | 山室有紀子 |
| キャラクターデザイン | 乘田拓茂 |
| 音楽 | 瀬川英史 |
| 音響監督 | 丹下雄二 |
| アニメーション制作 | ぴえろ |
主要キャスト
| キャラクター名 | 声優 |
|---|---|
| 雪哉 | 田村睦心 |
| 若宮(奈月彦) | 入野自由 |
| あせび | 本泉莉奈 |
| 浜木綿 | 七海ひろき |
| 真赭の薄 | 福原綾香 |
| 白珠 | 釘宮理恵 |
| 澄尾 | 竹内栄治 |
| 長束 | 日野聡 |
| 大紫の御前 | 田中敦子 |
アニメ「烏は主を選ばない」に関するよくある質問
「烏は主を選ばない」アニメ3期の制作は決定していますか?
いいえ。2026年8月時点で、アニメ続編(通称3期)の制作に関する公式発表はありません。
2024年に放送されたアニメは「2期」まで描かれたのですか?
いいえ。2024年に放送された全20話はすべて「第1期」です。2024年7月20日から始まった後半の「黄金の烏」編は、第1期の中の新たな章という位置づけになります。
原作小説は完結していますか?
第一部(全6作)は完結済みです。第二部は『亡霊の烏』まで刊行されており、本編最終巻となる『玉座の烏』(上下巻)が2026年内に刊行予定です。
アニメの続きを原作で読むことはできますか?
はい。アニメ第1期で描かれた物語の続きは、原作第一部の第4作『空棺の烏』から読めます。
コミカライズ版はどうなりましたか?
松崎夏未によるコミカライズ版は、2026年3月23日発売の第6巻をもって完結しました。
まとめ:原作完結が近づく2026年、続編の土台は整いつつある
この記事の要点をまとめます。
- 現状: 2026年8月時点で、続編(通称3期)の公式な制作発表はまだない。
- 原作: 第一部の残り3作だけで続編1期分に相当する分量があり、本編最終巻『玉座の烏』が2026年内に刊行予定でまもなく完結する。
- 制作体制: ぴえろの制作ラインは2027年1月放送作品まで埋まっているが、『BLEACH 千年血戦篇』が完結することで2027年以降に余地が生まれる可能性がある。
- 人気: 累計260万部を突破し、愛蔵版の刊行やコミカライズ完結など展開は継続中。
- 放送時期予想: 発表があるとすれば2027年前後、放送は2028年以降が現実的なラインと予想される。
ぴえろ作品の続編間隔データを見る限り、第1期終了から約2年で発表がないことは特別に悲観すべき状況ではありません。原作の完結という節目を迎える2026年から2027年にかけて、あらためて続報が出るかどうかが焦点になりそうです。公式サイトと公式Xの発信を追いながら、続報を待ちましょう。

